再び“down the road”という時間表現に関するフレーズについて。
“down the road”は、会話の中では主に「将来」や「未来」=”in the future”の意味で使われることが多い表現です。詳しくは別の記事に書きましたので、是非そちらを参考にして欲しいと思います。
そして、今日の表現”Kick the can down the road”も日常会話やニュースでは頻繁に使われるフレーズなので、すんなりその意味を理解できるようマスターしておきたい表現です。
ところで、Kick the can って?
さて、”Kick the can down the road”という定番の言い方。
その全体の意味を考える前に、”Kick the can”という表現について少し付け加えておきましょう。
“Kick the can”は、いわゆる「缶を蹴ること。缶蹴り」のことです。
日本にも缶蹴りという子供の遊びがありますが、ここでの”Kick the can”は「(アメリカの)都会の若者たちが路上でぶらぶらしながら缶を蹴っている様子から生まれた表現」です。
時間は有り余るほどあるけど、職もなくお金もなく都会で缶を蹴っている若者。
そんな映像でこのフレーズは理解しておきましょう。
そしてまさにそれが、この表現のコア・イメージで、”Kick the can down the road”は「難題への対応を繰り返して結論を先延ばしにする、先送りする」という意味で、特に政治などの分野でよく使われるように思います。
また、ここで使われる”down the road”は、文脈によって「将来・未来」にも「道の向こう」の意味にもなりそうですが、いずれにしろ、どんなに勢いよく”Kick the can”しても、直面している「缶」はしっかり自分の視界に留まると思うので、問題が消えてなくなったり、根本的な解決には繋がらないというニュアンスは理解しやすいと思います。
to avoid or delay dealing with a problem:
問題に対応することを避けたり、遅らせたりすること
”Kick the can down the road”を例文で学ぼう
A primary method employed in politics is kicking the can down the road instead of reaching for the solution.
政治の世界では、解決策を見出すのではなく、解決できない問題を解決することが第一の方法である。
I don’t think we should kick the can down the road and let our grandkids solve that problem.
このまま、孫の代までその問題を解決させるわけにはいかないと思うんです。
I don’t want to kick the can down the road any longer. I need to tell someone what’s been bothering me lately.
もう問題を先送りにはしたくないよ。最近私を悩せていることを誰かに話す必要がある。
まとめ
さて、今回も時間表現”down the road”にまつわるイディオムを紹介しました。
ニュースなどでは度々目にする有名な表現なので、しっかりとその意味と使い方をマスターしておきましょう。それが、あなたの会話力やコミュニケーション力アップにつながります。
今の自分の実力を直視せずに、”Don’t kick the can down the road”しないよう、お互いに頑張って学び続けましょう。では、また!